ロースクールの某プログラムの客員研究員として今、研究していますが、秋学期は、ロースクールの学生に交じって、いくつか授業を聴講しました。J.D.(注1)の1年生とのゼミ(週2回)、講義(週3回)、2-3年生とのゼミ(週1回)です。
私自身、学部、大学院修士課程と6年間、日本で法学を専攻しましたが、久々に学生と一緒に授業を受けることは大変新鮮で、勉強になりました。これから数回に分けて、J.D.の授業の様子を少しご紹介したいと思います。
注1:J.D.はJuris Doctor(法務博士)の略で3年間のコース。既に米国又は他国で法学部を出ている場合は、一年間のLL.M.(Master of Laws; 法学修士のコース)があります。その他、いろいろコースがあるので、Yale Law SchoolのHPをご覧下さい。
イェール・ロースクールは、『U.S.ニュース&ワールド・レポート』のロー・スクールランキングでは、ランキング開始以来、毎年1位にランクされています。ビル・クリントン元大統領やヒラリー・クリントン国務長官も卒業生で、クリントン夫妻を教えたという教授もいます。
米国では、学部レベルで法学部がないので、みな学部では異なる科目を専攻してから、ロースクールに来ます。なので、歴史学科、英文科、心理学科、東アジア学科、生物学科等、バックグラウンドは様々で、全米、そして世界から優秀な学生が集まってきます(高校生くらいからロースクールに行くことを意識していたという言う人は、社会学や政治、歴史、哲学を専攻していた人が多いように思います)。学部を出たばかりの21歳の人から、大学院修士課程を出た24、5歳の人が殆どですが、一度社会人経験をして小学生くらいの子どもがいる40代前半の人もいます。
法律(law)を学びたいなら、「ハーバードに行け」と言われているくらいで、イェール・ロースクールは「理論」(theory)重視です。ビジネス系の授業もいくつかありますが、実用的な法律よりも、理論を重視した授業が多いです。
日本の授業というと、教授が講義をし、学生がひたすらメモを取るという一方向の授業が多いですが、ここでは教授と学生、学生同士の議論が活発で、授業が非常にインタラクティブ(双方向)であるせいか、居眠りしている学生を一度も見たことがありません。(「イェール大学ロースクール(7)」につづく)
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